骨粗鬆症

骨粗鬆症とはどんな病気?

骨粗鬆症は骨密度の低下や骨質の劣化により骨の強度が低下して、骨折しやすくなった状態です。
そのほとんどは加齢に伴う原発性骨粗鬆症で、特に女性では閉経に伴う女性ホルモンの減少により骨密度の低下が加速されます。
骨粗鬆症になると日常生活動作でいつの間にか脊椎に骨折が生じていたり、軽い転倒などで股関節の大腿骨頸部に骨折を起こし、寝たきりの原因になり得ます。

骨粗鬆症の症状

骨粗鬆症を罹患していても、あまりはっきりとした症状が無く背中が張った感じ程度の場合が多いです。
脊椎の椎体(圧迫)骨折を起こしてから腰痛、背部痛、側胸部の痛みなどが生じます。
椎体骨折は一椎体のみの場合もありますが、多発性に骨折が生じる事も多いです。
椎体の圧潰が進むと背中や腰が曲がる、身長が縮むといった症状もみられます。
軽い転倒や何かにつまずくなどで大腿骨頸部に骨折を生じると、歩行が不能となり寝たきりになってしまう場合もあります。

骨粗鬆症の原因

骨密度は20歳前後でピークを迎え、その後は徐々に減少します。
骨粗鬆症のほとんどは、加齢や閉経に伴って骨密度が低下する原発性骨粗鬆症です。
女性では閉経に伴う女性ホルモン(エストロゲン)の減少が主な原因で、50歳以降に急激に骨密度が低下します。
また加齢によるビタミンDの産生低下も原因の一つです.骨には代謝があり、常に新しい骨を作りながら古い骨を壊しています。
この代謝のバランスが崩れて骨を壊す方が優位になると骨粗鬆症になります。
その他に何らかの原因となる疾患などによって引き起こされる続発性骨粗鬆症もあります。
原因としては内分泌性、栄養性、薬剤性(主にステロイド)などがあります。

骨粗鬆症の検査と診断

問診や理学所見に加えて、X線検査により椎体の骨梁や圧潰変形をみます。
骨密度測定には様々な機器の種類がありますが、腰椎と大腿骨頸部の骨密度を測定して評価するDEXAが主流です。
また血液中のカルシウム濃度、血液・尿に含まれる各種の骨代謝マーカーを測定します。

骨粗鬆症の治療法

治療には食事療法、運動療法、薬物療法があります。食事療法では、バランス良くカルシウムやビタミンDを摂取できる様に指導します。
運動療法では様々な体操で骨密度を増加させたり、転倒予防のための筋力を強化するトレーニングを行います。
薬物療法では近年、骨粗鬆症の治療に様々な薬が開発されて来ました.従来のビタミンD 製剤に始まり、骨密度を増加させる種々の内服薬や注射剤も広く使用されています。
近年の薬剤は効果が高く骨折を予防する作用がある反面、その副作用も無視できません.例えばビスフォスフォネート製剤では顎骨壊死の可能性があるため、服用中は歯科の治療に注意が必要です。