足関節内外側靭帯損傷
足関節内外側靭帯損傷ってどんな病気?
足関節内外側靱帯とは、足首の内くるぶし・外くるぶしと距骨・踵骨をつなぐ主に3つの靭帯の事を指します。
これらの靱帯がスポーツや日常生活動作の最中に足首を捻ることによって損傷されて発症し、足関節捻挫とも言われます。
よく“捻挫だから”といってそのまま放置されると、足関節の不安定性が残存して捻挫が癖になり、将来的に二次性変形性足関節症になる可能性もあります。
足関節内外側靭帯損傷の症状
足関節の痛みや腫れが出現し、損傷が高度の場合には皮下出血がみられます。
歩行時に痛みがあり、損傷が高度の場合には不安定感を感じます。
適切な治療がなされずに、そのまま放置されると陳旧性靱帯損傷となり、足関節の不安定性が残ります。
足関節内外側靭帯損傷の原因
バレーボールやバスケットボールなど、ジャンプの着地時に足首を捻って受傷する事が多いです。
サッカーやラグビーなどでの接触プレーや野球のスライディング、テニスのスライド時などでも発症します。
また、日常生活でも階段や段差を踏み外したり、何かにつまずいて捻ることもあります。
足関節を内返しの方向に捻った場合には、外側の前距腓靱帯が損傷され前方不安定性が生じます。
さらに程度が強ければ踵腓靱帯も損傷され、内反不安定性が目立つようになります。
足関節を外返しの方向に捻った場合には、内側の三角靭帯が損傷されます。
足関節内外側靭帯損傷の検査と診断
問診、腫れや圧痛の箇所、徒手検査により損傷靱帯を特定します。
X線検査では剥離骨折の有無などを調べます。
陳旧性靱帯損傷で既に何度も捻挫を繰り返して軟骨損傷・変性を伴うと骨棘形成がみられ、これが高度になると二次性変形性足関節症になります。
また前方や内反ストレスをかけながら撮影し、不安定性の程度を測定するストレスX線検査も有用です。
さらに靭帯の損傷程度や合併する距骨の軟骨損傷、離断性骨軟骨炎の有無を確認するためにMRI検査を行う場合もあります。
足関節内外側靭帯損傷の治療法
足関節内外側靭帯損傷の初回受傷の場合、手術治療を行う事は極めて稀で、ほとんどの場合は保存療法によって治療を行います。
損傷が軽度の場合には弾性包帯で固定する程度で早期に理学療法を開始します。
損傷が高度の場合には、1週間から10日程度ギプス固定を行った後に装具を装着し、理学療法を行います。
装具は不安定性の改善をみながら、6〜8週間装用します.理学療法の初期は超音波治療などによる消炎処置を中心に行い、徐々に筋力強化や可動域訓練を行います。
陳旧性靱帯損傷で既に何度も捻挫を繰り返しており、スポーツ活動や日常生活の制限が著しい場合には手術的治療によって靱帯再建を行う場合もあります。
また距骨に軟骨損傷や離断性骨軟骨炎を合併しており痛みが強い場合には、これらの治療も同時に行います。